肝癌

肝細胞癌

肝細胞癌は肝臓に発生する最も頻度の高い原発性肝癌です。これまでB型肝炎やC型肝炎を背景とした症例が多くを占めていましたが、近年では脂肪肝や糖尿病などを背景とした症例も増加しています。早期には自覚症状に乏しいことが多いため、定期的な画像検査や血液検査による早期発見が重要です。

当科の特徴

当科では腹腔鏡下肝切除を積極的に導入し、患者さんの身体的負担軽減に努めています。また、ロボット支援下肝切除の導入を予定しており、さらなる低侵襲化と手術精度の向上を目指しています。術前3DCT画像により患者さん特有の血管走行や腫瘍部位などを把握し、術後合併症リスク低減を目指した術式提案をいたします。

進行した肝細胞癌に対しては、肝細胞癌診療ガイドラインおよび日本肝癌研究会・日本肝胆膵外科学会合同プロジェクトによる切除可能性分類を参考に治療方針を決定しています。術前治療を組み合わせた集学的治療にも積極的に取り組み、他院で切除困難と判断された症例についても治療の可能性を検討しています。

また、肝機能が低下した症例や非代償性肝硬変を合併した症例に対しては、生体肝移植を含めた治療選択肢についても慎重に検討しています。当科では1997年より生体肝移植を実施し、多職種が連携した高度な移植医療を提供しています。

診療実績

当科では長年にわたり肝細胞癌診療に取り組み、多数の肝切除を施行してきました。

2025年の肝細胞癌切除件数は31例であり、約70%の症例に腹腔鏡手術をはじめとした低侵襲手術を施行しています。また、1992年から2025年までの初回肝切除878例の検討では、Stage I症例の5年生存率は83.6%と良好な治療成績を維持しています。

治療成績

当科の取り組み

  • アシアロSPECT/MDCT融合画像による術前分肝機能評価
  • 門脈塞栓術を活用した切除適応の拡大
  • 術後肝不全の早期予測・早期介入プロトコル
  • 再発例に対するレンバチニブ・ソラフェニブ等の薬物療法との集学的治療